【財務分析】プレナス、ハークスレイ

プレナスハークスレイの財務分析を行った。

持ち帰り弁当業界

あまり企業名に馴染みのない二社だが、「ほっともっと」と「ほっかほっか亭」と聞けば、多くの人は分かるだろう。プレナスはほっともっとの経営母体、ハークスレイほっかほっか亭の経営母体である。それぞれ持ち帰り弁当業界の第一位と第三位の存在だ。ちなみに、第二位は本家かまどや(非上場)。ほっともっととほっかほっか亭は元は同じほっかほっか亭だったのだが、喧嘩別れして今の状態になり地域ごとの住み分けがされている。

直近の経営状況

二社の売り上げ高と営業利益は次のようになっている。

まずは、プレナス(ほっともっと)。

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次に、ハークスレイほっかほっか亭)。

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二社とも共通して、2009年リーマンショックで大きく営業利益を下げ、その後、リーマンショック前に戻せていない。これはひとえに顧客をコンビニ弁当に奪われてしまったからだと思う。

いかんせんコンビニはあちこちに出来過ぎた。もともと弁当を買う人は手軽さを求めている人が多いので、近くにコンビニが出来れば必然的にそちらに流れてしまうのは世の中の流れなのかなと思う。

ただ、持ち帰り弁当にも作りたてを食べられるという絶対的なメリットがある。味は持ち帰り弁当の方が断然美味しい。価格差もほとんどないため、同じ場所に、コンビニと持ち帰り弁当があれば、持ち帰り弁当の方が選ばれる傾向にあると感じる。

立地を独身世帯の多い駅前に絞るなど、店舗の絞り込みで収益力は確実に高められる業態のように思う。

ハークスレイプレナスの比較

まずは営業利益率に関して。

  プレナス ハークスレイ
売上高 145,709 46,375
営業利益 4,979 627
営業利益率 3.42% 1.35%

(百万円)

プレナスの方がハークスレイよりも規模が3倍ほど大きく、営業利益率も高い。利益率で見ると5%未満というのは必ずしも高い数字ではないのだが、飲食業界は全体的に薄利多売なので仕方ない。テクノロジー企業と違って、新商品開発の投資は掛からないので、利益率の低さで業界からキックアウトされることは無い。ただ規模は食材の購買力に関わってくるところなので、プレナスの利益率が優れているのはそういう面なのかなと思う。

次にキャッシュフロー。まずはプレナス

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次にハークスレイ

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コンビニという強敵に対してどう立ち向かおうとしているのかが、二社で明確に差がある。プレナスについては、営業キャッシュフローをそのまま新規出店に投資している。業界一位をキープすること、あくまで規模を追うことが重要と考えているのだろう。プレナスが強気でいるのは、直近5年で自己資本比率を70%前後の高水準で保っていることが背景にあると思われる。

一方のハークスレイは営業で得た金は長期債務の返済に回されている。新規出店よりも退店の方が多い為、投資キャッシュフローも店舗の売却によりかなり少なくなっている。店舗の絞り込みを行い、今は耐え忍んで、財務を改善させたいのだと思われる。ハークスレイ自己資本比率は5年前は40%と低い水準にあったが、この5年で50%まで急速に回復している。

次に株価のPBR/PER/配当利回りを見てみる。

  プレナス ハークスレイ
PER(実績) 30.44倍 16.51倍
PBR(実績) 1.09倍 0.51倍
配当利回り 3.20% 3.17%

どちらも非常に安いのだが、ハークスレイはかなり安値圏にいることが分かる。景気回復期に守りに入っているハークスレイは市場では評価されていないということだろう。そして配当利回りはどちらもかなり高水準にある。

どちらの株が買いか?

攻めのプレナスと守りのハークスレイという図式が鮮明で、今後、持ち帰り弁当の業界で、プレナスのシェアは高まっていくことが予想される。シェアの差は購買力の差となり、長期的に商品の品質の差にも繋がっていくだろう。さらにプレナスは財務の安全性が高い。

しかし、コンビニの脅威はどちらも避けられず、なくなることのない脅威である。業界自体のうま味が昔とは違う。プレナスが投資している割に売り上げを伸ばせられない現状と、ハークスレイが退店を進めているにも関わらず売り上げをキープできている現状も見逃せない。この結果から、ハークスレイの出退店の選択はかなり精度が高いと言える。規模をシュリンクさせ、ソフトランディングできる姿勢を整えることに成功できるように思う。さらに、現時点ハークスレイは株はかなり割安圏におり、底堅い

ということで、私としては珍しく結論が出せなかった…。まあ、どっちを買っても堅実な経営をしていそうだし、今時点で株もそんなに高くないので損はしないだろうなーという印象だった。

★個人的な見解なので、投資は自己責任でお願いします。