2018年投資振り返り⑦

ザインエレクトロニクスの取引履歴。

日付 買/売 株数 株価 金額
6月11日 株式現物買 100 1043 104300
6月14日 株式現物売 100 1156 115600

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買った翌々日から急騰。これまでの投資経験の中では最短の3日間での売買となった。特にニュースリリースが出た訳ではなかったので、何故なのかはさっぱり分からない。

利益は+11%。年利換算は+27244407%となった(笑)これ以上の成績は今後出せる気がしない。

 

ザインは半導体ベンチャー企業で、僕が見ている印象は下記のようなもの。

・強みは高速インターフェース技術

映像系の規格VbyOneを発案。物理規格はPC内部のインターフェース代表格であるPCI Express とほとんど同じで、プロトコルを映像系に特化することでテレビメーカに売り込んだもの。VbyOneは機器内部の組み込み用途なので、HDMIやDisplay Portのようにユーザーが触れられるケーブルやコネクタではないので認知度はものすごく低い。

最近はテレビ自体の市況が良くないので、同じ技術を使った非映像系のUSB等の製品が多くなってきている。実製品よりも、半導体のIPとして売れば良いのになぁと思うのだが。

・キャッシュが潤沢

創業者の方針で、キャッシュが非常に潤沢。売り上げの10年分くらいの規模の現預金を持っている。この経営方針に僕は特に共感している。

半導体市場はシリコンサイクルによる好不況の波が大きいので、不況時には赤字決算は避けられない。赤字を避ける為に製品価格を上げたら、一気に市場の存在感が無くなるのだ。だから、数年の赤字でも倒産しない財務体質が必要だ。

また、技術の陳腐化が早い。テクノロジーノードが次に移った時に、それまでとは別の要素技術が必要になってくる。そこを逃すと、次の変化時にはまったく対応できない、ということが多々ある。だから、赤字でも技術に投資し続けなければならない。

金保有残高は常に高水準を保っておくことが、半導体経営では非常に重要なのだ。この点、例えば、東芝キャッシュフローの回りが悪いので、半導体企業として非常に心配なのだ。

・国内ベンチャーとのアライアンスが多い

ザインは聞いたことのないような国内ベンチャーとよくアライアンスを組んでいる。最近はケーブルメーカーとの協業が多い。信号が高速化して、半導体回路だけじゃなく、伝送ケーブルの技術も重要度が高まっているという認識がある為だろう。

同じエンジニアをやっているのでよくわかるが、他社と協業すると技術的に得られるものが非常に多い。お互いコアとなる技術は絶対見せないように上司から厳命されているのだけど、それでも成果物や仕事のやり方から類推できるものは非常に多い。

やっぱり自社だけだと文化の偏りもあって、突き詰められる領域って限られるのだ。例えば、前の職場の上司は「手を動かす作業ではなく、頭を使って仕事をしろ」と言っていた。今の会社は「手を動かすことでしか分からないことがある。まずは足を使って動け」って感じ。これらの文化の違いは成果物やプロセスに大きく影響する。

アライアンスで製品化など分かりやすい結果が出なくても、技術力を高めるという意味では非常に有効なのだ。 

・気になるのはビジネスモデルと後継者

これでもかというくらいピュアに高速インターフェース技術を磨いているザイン。技術自体はまだまだ上がある分野で付加価値の高い領域が残っているので、当面は大丈夫だと思っている。

ただ、ビジネスとしては、半導体製品よりもIP設計や受託開発に進んだ方が良いんじゃないかな~と思う。インターフェースチップよりも、CPUやペリフェラルチップに集積化してしまった方が、使うお客さんにとってはお得だし。

そして、もう一つは創業者の引退問題。優秀な創業者ほど、後継者選びには失敗してしまうもので、この点は非常に危惧している。個々の技術者やマネージャーのモチベーションを高めるのは、結局のところ経営者の作る環境なのだ。

ザインみたいな特殊な会社は、普通の人間ではやっていけないかなぁと感じている。