自動車メーカー6社のキャッシュフロー分析

随分日が開いてしまいましたが、キャッシュフロー分析を再開します。

昨今、自動車メーカーの業績が低迷しているようで。要因は北米市場と言われているんですが、正直よく分からないです。販売奨励金が収益を圧迫しているということでしょうか。

とにもかくにも何十年も好業績を維持してきた自動車産業。今が株の買いではないかと考え、今一度、業績をレビューしてみました。

といっても以前トヨタは分析しており、散々な結果でした。その時と比べて今はどうなのか?というところも考える意味で、トヨタ・ホンダ・スズキ・日産・スバル・マツダの5社を分析し直しました。

※ちなみに以下のリンクがトヨタを分析したときの記事。

kent-s.hatenablog.com

まずはホンダ。そもそも買おうと思っていたのがホンダ株でした。最近の業績低迷に加え、タカタの実質的な破綻の所為かずいぶん売られており、かなりの安値圏に入っていて、「おっ」と思ったのです。で、こちらがキャッシュフロー(CF)のここ10年のまとめです。

 

f:id:kent_s:20170624213953p:plain


ボロボロっす・・・。ネットCFに赤字が多い。10年トータルするとようやく2000億程度になりますが、純利益の合算が4兆超えていることを考えると、ほとんどが自社の投資で金が消えている計算です。こいつはヒドイ。

こういう状況なのは何でかというと、投資していかないと競争力を維持できないから、つまり過当競争ですね。投資したものが固定資産になっているため、純利益は黒字になっているんですが、金は全く稼げてない。ここが会計の非常に分かりにくいところ。

その固定資産が本当に帳簿上に記されているだけの価値があるかなんて、客観的に分かりませんよね。特に製造設備で高価なものは、それ以外に用途のないものばかり。技術革新でゴミになったりなんてこともザラにあります。今のその会社にとっての価値は、ほとんど意味はないと私は思います。

だから、お金を稼げてるか、キャッシュフローの見極めが投資では重要と思うのです。

次にトヨタ。ここもネットCFが万年赤字だったことは以前の記事に書いた通り。あれからどうなったかというと…。

f:id:kent_s:20170624214013p:plain


2016, 2017年は黒字になってるみたいです。しかし、純利益の半分以上が投資に回っている現状は変わっていません。大丈夫なんかこれ。

次、日産。

f:id:kent_s:20170624214030p:plain


ここが最悪。5年間で1.4兆円の持ち出しが起きています。にも拘わらず純利益は9.1兆円の黒字。かなり厳しい。

さて次はスズキです。

f:id:kent_s:20170624214043p:plain

ここは軽に注力したこと、インド市場に照準を絞ったこと、など他社とは違う試みが功を奏してます。実はスズキの株は昨今の情勢でも、上がり調子なんですが、こういったところに原因があるのかもしれませんね。しかし、高いが故に買えないんです。

次に、スバル。

f:id:kent_s:20170624214103p:plain

ここは自動車業界の中にあって驚くほど収益率が高い。ブランド力があるから、と言われていますね。財務的にはぴかいち。株価もすごく高いので手は出せませんが、スズキと同じく、手ごろな価格になったら狙いたい株です。


最後に、マツダ

f:id:kent_s:20170624214115p:plain

ここも立ち位置がかなり特殊。純利益では数年前まで頻繁に赤字になっていたのですが、昨今は持ち直してきています。ネットCFとしても黒字。過当競争に巻き込まれない位置づけに成功したように思えます。
ただ、この業績をずっと続けていけるのかがこの企業のリスク。過去五年以内に赤字があるとどうしても注目してしまう。しかし、だからこそ株価が安いというのもあります。

今回見た6社の中で、唯一投資できそうだなと感じたのがマツダだけでした。