京セラのキャッシュフロー分析

今回は京セラのキャッシュフローを分析します。この会社は伝説の経営者、稲盛和夫が創業した初めての会社です。稲盛和夫と言えば、京セラの他、KDDIを成功させ、JALの再建も成功させた凄腕です。経営スタイルは、徹底して雇用を守り、アメーバ経営というすごく小さな事業単位でも採算性を取る、というもの。

この人の会社に入れた人は、しんどい思いをするとは思いますが、報われるだろうなって思います。同じサラリーマンとして、京セラやKDDIの社員は羨ましいです。もし学生時代にこの人の書いた本を読めていたらなぁって思います。

JALについては「あれだけ公的資金を突っ込めば再建できるのは当たり前」という批判もありますが、2年で再建し、その後の経営成績を見ても、やっぱり凄いと言わざるを得ません。同じように政府の支援を受けたルネサスは何年もかかってようやく黒字化したところです。追加融資もあったはずです。さらに今も収益は安定しているとはとても言えない状況です。シャープは言わずもがな。こうした事例を対比して見ると、JALのV字回復は凄いのです。

今回は京セラの分析でした。まず、2000年3月期からのキャッシュフロー計算書のまとめたものを下表に示します。

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突発的な上下動はありますが、営業CFは安定的です。ほぼすべての年で営業CFから投資CFの合算はプラスです。16年間の累積は、営業CFが2兆301億円に対し投資CFが1兆3546億円で、差し引きで6755億円のプラスです。京セラの昨今の売り上げが1.2兆円から1.5兆円ということを考えると、抜群という訳では無いですが、マズマズの効率性です。

単年で見ると、注目は2009年の1041億円の赤字ですね。リーマンショックにより営業CFが押し下げられた時に、投資CFが激増してしています。内容を見ると、投資CFの内訳は定期預金の預け入れが引き出しよりも多く、有価証券の購入が売却よりも多い為のようです。定期預金は単に満期になる時期の問題で、有価証券は株式市場が安値の時に売却出来なかった為と思われます。つまり、ダメな企業のように、資金繰りが覚束ない状態で無謀な投資をしているという訳では無いようです。

次に営業CFと投資CFの合計の累積グラフを下図に示します。

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2005年から2007年にかけて、停滞していますが、これも定期預金や有価証券の調整によるものが大半であり営業CFが痛んだ訳では無く、設備などの資産の負担が増えたという訳でも無いようです。その他はリーマン期を除き、順調に現金を積み上げており、事業としては問題は少ないと考えられます。