トヨタ自動車のキャッシュフロー分析

今回のキャッシュフロー分析はトヨタ自動車です。日本の時価総額ナンバーワン企業であり、自動車販売台数は世界のトップを走っています。

企業規模だけでなく、営業利益率でも優良です。日本の製造業は1%〜5%の低い利益率に悩まされることが多いのですが、トヨタは継続的に10%を超えてきています。これらのことからトヨタへの投資は安パイだろう…と思われがちです。しかし、キャッシュフローは必ずしも健全とは言えないようです。

下表が2001年3月期から現在までのキャッシュフロー計算書をまとめたものです。

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累積のCFは、営業CFが33.8兆円に対し、投資CFが-38.5兆円となっており、トータルで4.7兆円の赤字です。年ごとに見ても、キャッシュフローは、ほとんどの年で赤字になっています。この期間、トヨタはほとんどの年度で営業黒字であり、営業利益ベースでは黒字です。にも関わらず、何故赤字になっているのかと言えば、稼いだ分が現金以外の資産に化けている為です。

次に営業CFから投資CFを引いた正味の稼ぎを2001年から累積したものを下図に示します。

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ほぼ単調減少ですね。トヨタという会社は事業をやればやるほど現金が消えています。不足した現金は借り入れ金で賄っており、その為にトヨタではほぼ毎年財務CFは黒字になっています。

さて、これは健全な事業運営と言えるのでしょうか? 毎年、営業CFで稼いだ金を何に投資しているのかを分析する必要があるでしょう。自動車メーカーは自動車ローンという名の債権を顧客に対し発行して売り上げとすることが多く、これは投資CFに計上されるので、その所為でCFが赤字になる可能性はあります。しかし、車の消費者向けのローンは安全だと言い切れるのかは、またさらなる分析と判断が必要となります。

私はキャッシュフロー経営の大前提の観点から、稼いだ金が現金以外の形になっているのは怖いかなと感じます。特に自動車ビジネスのことをよく知りもしない立場から見ると、とても投資できないです。ただ、興味はあるので、今後、競合のキャッシュフローは調査してみようかなと思います。