SANKYOのキャッシュフロー分析

今回のキャッシュフロー分析はSANKYOです。パチンコ台のメーカーとして有名な企業です。

パチンコはどこからどう見てもギャンブルです。実は日本という国は、競馬場とか競輪場とかの公営企業にしかギャンブルは許可しておらず、公然と民間企業が営業している点、パチンコ店は明らかに違法行為であります。口実としてはパチンコとは遊戯であり、パチンコ玉と現金の交換はパチンコ店外でやっていることなので、ギャンブルではないってことになっていますが、おかしいですよね。

似たようなものに風俗店があります。ここもやっている内容は売春であり違法なのですが、客と従業員が私的に恋愛関係に落ちているという口実により存続できています。風俗店とパチンコ店が違うのは、風俗店はたまに強制捜査が入り、閉店させられるということです。強制捜査は行政や警察の匙加減で決まっています。強制捜査はパチンコ店にも行われ得るものなんですが、パチンコ店が取り締まられたという話は聞いたことがありません。警察OBがパチンコ関連企業に天下りしている為と言われています。風俗にしろパチンコにしろ、ルールが権力者次第となっている部分があり、必要悪とは言え何だかなと思います。

このようにパチンコとは一般的な感覚からすると、あまり関わりたくないなと思う市場なのですが、SANKYOはそういう危うい顧客にパチンコ台を売って生計をたてております。キャッシュフロー計算書の2008年3月期以降をまとめたものを下表に示します。

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8年間で営業CFが2448億円のプラスなのに対し、投資CFはマイナス502億円であり、営業CFから投資CFを引くと、プラス1946億円です。SANKYOの年間売り上げ規模が2000億円程度ですから、相当高い利益率で現金を生み出していることが分かります。

次に営業CFから投資CFを差し引いた正味の現金の稼ぎを、2008年を基準に累積したグラフを数に示します。

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これを見ると、2013年3月期だけ僅かに減少していますが、他は概ね好調な様子が見て取れます。2013年の営業CFの減少した理由は売り上げが激減したことによるものです。競合の「平和」の決算を見てみるとSANKYOが減った分、大幅に売り上げを激増しており、顧客が一斉にライバル企業に動いた結果のように見えます。

パチンコ業界のことはよく分かりませんが、たった一年で売り上げがライバル間で大幅に移動するというのは面白いですね。パチンコって、少数の機種が市場を支配しているのでしょうかね。新機種の乗り換え時に人気機種に顧客が集中するため、魅力的な機種を開発したメーカーが大きく売り上げを伸ばす構造になってるのかも知れません。

このようにパチンコ業界は競争が激化しており、新機種開発の成否の影響が甚大と推測できます。しかし、利益率は非常に高く、そつなく開発できれば投資効率は高いです。また、仮に失敗しても2013年、SANKYOは営業利益で黒字は確保しており、そこまでダメージは大きくないと言えます。


ただし、パチンコについては、要注意点として、現在、下記のリンクのような「くぎ曲げ規制」問題が燻っています。ギャンブル性を高めるためにパチンコメーカーはくぎ曲げを行っていたのですが、これが風営法に抵触するということで、メーカーがパチンコ台を自主回収するそうです。そもそもギャンブルの為の機械なのに、ギャンブル性があるから問題って意味が分かりませんよね。この辺り、警察はパチンコをギャンブルとは認識しておらず、違法行為を意図的に見逃してきたことが影響しているのだと思われます。「くぎ曲げ」云々は表向きの理由で、裏ではパチンコと警察との間の癒着関係に変化があったのかも知れません。

パチンコ台に「クギ曲げ」不正が横行 警察庁が悪質行為だとして、店舗に撤去を求める (J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

この騒動がパチンコメーカーの収益を一時的に圧迫することは間違いありません。業績への影響がまだ見えていないので、投資する場合は非常に大きなリスクになります。また、パチンコと警察との関係の変化であるとすれば、パチンコ業界そのものも変化していくので、今後の展開にも注意を要します。個人的にパチンコ業界にはやっぱり触らない方が無難かと思います。