三菱商事のキャッシュフロー分析

監査のあり方 - ランダムウォーカーの雑感

 
前回の日記で不正会計から自分を守る為にはキャッシュフロー計算書を読み込むことが大事だと書いた。そこで三菱商事キャッシュフロー計算書を改めて読んでみた。まとめたのが下の表である。単位は100万円だ。尚、筆者はこの会社の株は2013年に取得して、ずっと保有し続けている。
 
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ここから分かるのは単年で営業CF以上の投資をしている年がいくつかあるということ。また、逆に営業CFがずば抜けて高い年度もある。営業CFから投資CFを引いた正味の稼ぎは大きなマイナスから大きなプラスまで様々である。三菱商事は資源開発など、初期時に莫大な投資がかかり、何年かかけて売り上げで返ってくるものも多いのでビジネスの構造を考えれば妥当なことである。問題は正味の稼ぎの通算の推移である。1999年から2014年までの正味の稼ぎを通算したグラフを下図に示す。このグラフで前年よりも棒が伸びてる場合は営業CFの方が投資CFより多かった年度で、棒が短くなっている年度が投資CFの方が営業CFよりも多かった年度である。
 
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これを見ると1999年から2006年までは順調に稼ぎが積み上がっているのが分かる。単年で稼いだ額しか、投資していないということだ。一方、2007年以降はこの関係が崩れる。しかしながら、2010年に過去最高を更新するあたり、年度をまたいで投資を回収しているようにも見え、業績は好調と読める。
 
が、2011年以降がかなり怪しい。2010年度の時点の蓄積の水準を何年も下回っている。また、2015年も中間決算時点で営業CFが2000億円なのに対し、投資CFが-5000億円と、-3000億円もCFを減らしている。このことから、2011年以降の投資は、少なくとも2015年度中に回収できる目処が立っていない。営業利益がプラスでも、キャッシュの動きからはマイナス成長に陥っているとも見れる。
 
これは投資を後悔するレベル。現時点では株の儲けはプラスだし、売ってしまおうかな…。